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保健室4

教室にたどり着き、後方のドアの窪みに手をかけ、引いた。
その物音に生徒先生一同が振り返る。

まただ。
表情のない貼り付けられるような視線が、痛いほど僕を貫く。
避けることも出来ず、見られるがままに教室内を横断し、自分が座るべき席に着いた。

授業は何事もなく再開し、つまらないほど淡々と進んでいく。



過去の自分の、いや、過去からこれまでの自分の行いは。
いつ、誰かに責め立てられてもおかしくはなかった。
誰かを助ける為だと言い訳にして他を押さえつけ、悪事を企て、僕は実行した。
それは確かなのだ。
誰もが忘れようと、事実は、無くならない。
結果がどうのこうのというのも、罪を逃れる言い訳として成り立たない。
僕の命は、誰が言い出したとしても、過去の行いの真偽を問われれば、誰よりも重く、厳しく、裁かれる定めにある。
今になってでも、これくらいの仕打ちを受ける事は、当然の事だと、白状する事が出来なかったために先程までの出来事を、心の内で肯定していた。
だから、こんな程度の償いで許されると、思わなかったし。
完全に救済されるとも、思えなかった。
何と醜い事だろうか。
身に足りない罰を追い求め、さ迷い果てた先に、僕は……。

(教室の窓の外を見やる)

淡い光を、求めてしまうのだ。

2019-05-18