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保健室2

保健室に赴き、体熱を測られ、触診される。
疑問に思いながらも、保健室担当の職員を見やるとペンを構え、質問の体勢に入っていた。
触診の後は問診か。
予想通り、自覚症状の有無を問われ、淡々と答えていく。

「結果、異常無し。どこを見ても健康体で実にいい」
「ありがとうございます」
「実にいい…。が。おかしい」
「何がおかしいのですか?」
「ああ……」

ぶつぶつと思考にふける職員を、ぼんやり眺めていた。
そもそも、どこにも異常はない、健康体だと言われたのに、何故まだ僕はこの場所に貼り付けられているのだろう。
知らず知らずのうちに、簡易の診察、つまり、見かけでは判断しかねるような面倒な病気にでも患ってしまったのだろうか…。
手持ちぶさたで、自分の事に関して思考を巡らせていたために――油断していた。



「君。自分で悪いと自覚している箇所は、ある?」

唐突な質問に、体が固まった。

「…はい?」

努めて平然に答える。
今のは偶然だ。こちらの思考を読まれたわけではない。
しかし、その曖昧な質問の一部分にひっかかり、僅かだが声色が反応してしまった。
ぴくり、と職員の体も動き、追従してくる。

「今の君の体には見られないが」
「今ではない君の……うん。そうだ。過去の君には、何かあったんじゃない?」
「……」
「たまにいるんだ、そういう生徒が。そんな問題児に限って、前世がどうとか、今の自分には関係のない事だとか、言い訳をし始めるのだが」
「……」
「返事がない。何か、思うところがあるのか」
「……いえ」

「ふむ。もう少し明確に表す必要がある」

カリカリとペンで書き立てていく。伏せ目がちになった職員は、早いとものろいとも思うような速度で声を発した。


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2019-05-18