入口 > × - アル1日ノ空ヲ想ウ > *

いつからだろう。
無心で階段を登っていた。

上を見やると、螺旋状に上空へ続く螺旋階段。
ガラスのように透き通る板。

タン、タン、タン、タン。

心地の良い音が聞こえていたはずなのに、無音。
もう何も聞こえない。

青い空、群れをなす鳥達、誰かの呆れたような笑い声。

たくさんの素敵なものに囲まれていたはずなのに、無動。
もう何も映らない。

それでも、夢中で追い求めていた。
どんなに絶望しようとも、
本当に知りたい事が、真実が、辿り着く先にある気がして…。

体が薄い雲に飲み込まれ、視界が霞む。
怖さを忘れ、ひたすらに足を動かす。

そうして、静かに最後の段を登った。
厚い雲の切れ目から、待ち望んだ景色が見えた。






そこは、白い。
白い、”何も無い世界”だった。

視界いっぱいに広がる白を見たその瞬間、
愕然とした。

気が付いてしまったのだ。
”越えてはならない境界”を踏み越えてしまったことに。

そして、気が付いた時点でもう遅かった。

ーーこの世界に続きはないーー
ーー私の隣には”何もいない”ーー
ーーどうやっても終わりを迎えられないーー


頭の中は、いくつもの、ひどく醜い気分でいっぱいに

違 う 。

あ な た が 取 る べ き 行 動 は 、 台 詞 は
そ れ じ ゃ な い で し ょ う ?


私が、取る…べき…?えっ…?

私は、踏み越えたはずの境界線を、
越えて…いなかった……?

頭の中が真っ白になる。
真っ白になって。
真っ、白。にな
しろ。






*再想像*
醜く、薄い、笑みを浮かべる。
ひどく絡み合った真実を、ひとつひとつ手に取り、塗り替える。

*再構築*
ここにあったはずのものは、きっと、この白い世界の中に紛れて、隠れてしまっただけ。
そう、どこか遠い、遠い世界に行ってしまっただけ。

*再始動*
彼がいなくたって、彼がいない世界だとしても。
きっと世界は今まで通り描かれ続ける。
物語を紡ぐことができる。
そして、その先には。
今度こそ。
“雲ひとつない”青空がーー

そ ん な 結 末
あ る わ け な い じ ゃ な い 。

私は、再び、記憶を無くす。





* /空想に囚われし名もなき少女、深く暗い底にて眠る。/ *



- 空想世界 シークレットエンド -



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2037-01-20